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いつまでも手放すことなく

いつまでも手放すことなく

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アルテック製品は、修理や張替えを重ねることでいつまでも使うことができ、時代や文化を越えて愛され続けています。今や世界中に広がっているアルテックの友人やパートナーたちは、アルテックのデザインをこよなく愛し、人生をともに過ごしています。親愛なる友人たちに、アルテック製品への想いを聞きました。

ヨハンナ・グリクセンはグリクセン家の宝物についてこう語ります。

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家具がもし話すことができたならこの小さなベンチはどんな話を語ってくれることでしょう。このベンチは私たちの家族の何世代かの家を巡ってきました。次はどこに行くのでしょう。

私の祖母、マイレ・グリクセンの家に最初にあったはずですが、その後叔母の家、私の両親の家へと周り、また叔母の家に戻り、1980年代も終わるころ、私の手元にやってきました。昔は、ふかふかしたグリーンの布が張られていました。兄弟達はクッションを空想のいかだ代わりにしたり、家のように積み重ねて遊んでいました。ベンチは約30年前に私のもとにやってきました。その時、インテリアデザインの勉強をしていた私は、生地の張り直しに挑戦しました。

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私は当時アアルトの家具によく使われていた、ラフィア素材の生地をアルテックで選びました。古ぼけた生地をはがした時、興味深い発見がありました。戦後、おそらく材料が不足していたためか、シートクッションは生地とクッションの下に木の削りかすが詰められ、底上げされていました。 もともと張ってあった生地もラフィア素材でしたが、革の縁取りで覆われたおしゃれなボタンもそのまま残っていました。当時の私の裁縫の腕ではすべてを再現することができず、大分シンプルに変わりましたが、フレッシュに蘇りました。ラフィアはとても素敵な素材です。

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クッションにはヨハンナ・グリクセンの生地を選びました。なかな素敵でしょ?

このベンチは、3つの異なる家で30年間活躍してくれました。まだまだ手放すつもりはありません。このベンチは誰がデザインをしたのか、実は知らないのです。おそらくアルテックの初期の頃のデザインのはずですが。もし誰か分かる人がいればぜひ聞きたいですね。

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ヨハンナ・グリクセンのストーリーに登場するベンチの詳細は不明ですが、アイノ・アアルトによる初期のデザインである可能性が高く、おそらくマイレ・グリクセンとその夫、ハッリのために特別にデザインされたようです。ベンチはアアルト夫妻がインテリアの中でも大切にしていた製品で、アアルト自邸やマイレア邸で今でも使われています。

Photos: Johanna Gullichsen, Nico Backström

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