Looks like you are visiting artek.fi from Japan. If you like, switch to another website version.

キルシカンクッカ

日本の地で新たに蘇る「桜の花」

20181108_Artek060

1933年、アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトは、当時、駐フィンランド公使館一等書記官であった市河彦太郎、かよ子夫妻と出会い、深い親交を結んでいました。かよ子夫人から桜の花をモチーフにした絹の生地を贈られたアイノ・アアルトは、その時の喜びと日本のテキスタイルデザインへの敬意から、桜の花をモチーフとした「Kirsikankukka (キルシカンクッカ)」をデザインしました。「キルシカンクッカ」はフィンランド語で「桜の花」を意味します。

Making-of-Kirsikankukka-2697266
現代の日本の地に蘇る1933年に生まれた桜の花

2016年に東京で開催された展覧会「アイノ・アアルト展」には、キルシカンクッカの複製生地が展示されていました。来る2019年、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年に向けてキルシカンクッカの復刻を考えていたアルテックは、オリジナル生地を探して、フィンランドのユバスキュラにあるアルヴァ・アアルトミュージアムを訪ねました。しかし、アルヴァ・アアルトミュージアム所蔵のオリジナル生地はあまりに小さく、テキスタイルパターンの繰り返しを再現するには至りませんでした。その後、アアルト一家が保管する貴重なアアルト夫妻のアーカイブから、アイノ・アアルトが実際に描いた桜の花の原画を発見したことにより、ついにキルシカンクッカの復刻が現実のものとなったのです。

Making-of-Kirsikankukka-2697275
「手捺染」という方法から生じる、活き活きとした揺らぎ

復刻に際し、生地にテキスタイルをプリントする場として、アルテックはフィンランドではなく京都の工場を選びました。80年以上の昔、市河かよ子夫人は日本からフィンランドへ桜の生地を届けてくれました。今回は、桜のテキスタイルをフィンランドから日本へ届けよう、そんな遊び心に満ちたアイデアからです。選んだのは、伝統的な着物を摺る工場である、京都の西田染工。日本において、絹、綿、麻などの天然素材で作らる着物は、1000年以上前から伝統的な日常着でした。

Making-of-Kirsikankukka-2697270
20181108 Artek225

西田染工では、綿の生地上にシルクスクリーンの型を規則的に配置しながら、隙間なく続いていく模様を刷り上げていきます。職人の手作業による「手捺染」と呼ばれる方法から生じるわずかな不規則性は、このテキスタイルパターンに命を吹き込み、活き活きとしたファブリックへと仕上げていきます。こうして、1933年にアイノ・アアルトが描いた桜の花が、日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を祝う「FIN/JPN フレンドシップ コレクション」のひとつとして、80年以上の時を越えた2019年春、キルシカンクッカとして蘇りました。フィンランドと日本限定のファブリック、日本限定の風呂敷など、暮らしの中で自由にアレンジしてお使いいただけます。

関連製品